●台湾立法院選挙
台湾立法院選挙が12日に行われた。
ある程度は想定していたが、大変残念であり悲しい結果となった。
ちょうど在台中であり選挙前夜、当日、翌日の空気を感じ取ることができた。
結果を総括して、翌13日に台北教育大学の李筱峰教授が、『後世の歴史家が知りたい問題』というタイトルで自由時報に掲載しているのが目に止まった。
台湾の友人が邦訳して今日送ってくださった。
多くの方々に知って欲しく、掲載することにした。
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昨日は立法委員の選挙が行なわれ、開票の結果、中国国民党が大勝し、台湾立法院が惨敗を喫した!
同時に行なわれた党産(国民党が不法取得した資産)を国が取戻す法案可決を問う住民投票も通過できなかった!
この結果、中国北京当局がほくそ笑んでいるばかりか、百年後の後世歴史家も理解に苦しむに違いない。百年後の社会がなおも「黄鐘毀棄,瓦釜雷鳴」(※1)(賢人が重用されず、凡庸無才徳の人が高位に就いている)の時代であればだ。さもなくば後世の歴史家は必ずや以下の数多の問題について答えを解きたがるはずだ。
なぜ曾てあれほど多くの人間を殺戮した政党が、正義への転換を拒絶したにも拘わらず、今なおも台湾人の支持を受けられるのか?
なぜ長期にわたって反民主で、今に至るも直接民権(住民投票)に反対を唱えている政党が、なおも台湾人に肯定されているのか?
なぜ台湾の独立主権をぶち壊すことを能事(なすべき仕事)としている政党が台湾人から唾棄されないのか?
なぜ台湾人は、過去において我々に「反共抗俄,消滅共匪」(※2)のスローガンを叫ばせ、今や「聯共制台」(中共と連合して台湾を制裁する)の政党に適応するのか?
なぜ台湾人は、国家の資産を横領し、政党資産累積数千億元にも上る政党に投票するのか?
なぜ中国国民党が国家の資産を横領した党産を取り戻すと非常に多くのメリットを得られるのか?(例えば:五歳の幼児の幼稚園費用は無料、小中学校の教科書代及び学校栄養給食は無料、高校高職の授業料は無料、大学の学資金及び青年創業貸付は全て無利息など)があるのに、 台湾人は取り戻したくないのか?
なぜ国会(立法院)において、事々に難癖つけて妨げ、処々に反対を唱え(例えば、国家の重大な投資法案、軍備購入法案は反対、治水工事予算も反対、監察院長及び委員人事案にも反対などなど)、時々刻々さまざまな手段で政府の運営を麻痺させようとする政党が、なおも人民の支持を得られるのか?
なぜ極力台商(台湾業者)に中国への投資を勧めている政党が、(中国投資の影響で失業などのため)暮らしが悪化したと自認している民衆の支持を得られるのか?
なぜ政党関係者(党員籍の高官、ビジネスマンたち)の汚職犯や経済犯(彼らが横領した公金は数千億元にも達する)の指名手配者を多数抱えているにも拘わらず、なおも台湾人の投票支持を得ているのか?しかも彼らに追随して「反貪腐」(汚職反対)を叫んでいる。
なぜ軍人家族の住宅改築条例などの「錢坑法案」(無法な支出法案)を提案して、台湾人に天文的金額の一兆三七六○億元を負担させようとした立法委員たちを、台湾人は又もや彼らを順調に再任させているのか?
なぜ原住民に対して「君を人間として見ている……」と発言した馬英九集団が、なおも原住民の支持を受けているのか?
なぜ数人もの曾て汚職容疑或いは選挙違反(票買い)容疑者の現職立法委員を、台湾人は彼らの再任を成功させたのか?
なぜあの株式売買で富豪になった揚げ句、国民党の党産売却に手を貸した立法委員を、台湾人は彼の望み通りに再任を果たさせたのか?
なぜ曾て「耳たぶを舐めた」(※3)のデマを流した事件の立法委員が、依然として台湾人の肯定を受けて再任を果たせたのか?
後世の歴史家は、多くの「なぜ」に戸惑うだろう。これらの「なぜ」は、単なる「集団ストックホルム症候群」や、「奴隷性格」、或いは後藤新平が言うところの「台湾人は死を恐れ(高圧的な威嚇に弱い)、銭を愛し(利益誘導に弱い)、面子を重んじる(虚名虚位で篭絡し易い)」で解釈できえるものではない。台湾人よ、我々は歴史の審判を待つとしよう。
(作者は国立台北教育大学台湾文化研究所教授)
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役者が補足してくださった。
※1. 「黄鐘毀棄,瓦釜雷鳴」 中国戦国時代楚の人 屈原 がその才を妬まれて江南に放逐された頃に著した詩集『卜居』(『楚辞、巻六』)に「黄鐘毀棄,瓦釜雷鳴」という詩句で自己の心境を表現した。「黄鐘」とは楽器の調律器で賢人の例え、「毀棄」は毀され抛棄されること、即ち賢人が重用されないの意。「瓦釜」とは陶器製の鍋釜、凡庸の比喩、「瓦釜雷鳴」とは陶器製の鍋釜では本来巨大な音が生じないはずなのに、このような凡庸の物が雷鳴の如き巨大な音響を発したの意。即ち凡庸無才徳の人が赫々たる高位に就くの比喩。
※2. 「反共抗俄,消滅共匪」 中国内戦時代に国民党政権が唱えた標語。「抗俄」はソ連に抵抗、「共匪」は中国共産党の蔑称。即ち中共とソ連に反抗し、中共を撃滅しようの意。
※3 「耳たぶを舐めた」事件 ある中年男性がカラオケショップで若い男性の耳たぶに接吻した「セクハラ」の被害者の言い分を真に受けた国民党籍の現職女性立法委員が付添って記者会見を行ない、容疑者に名指しされた政府高官(民進党籍の男性)に公開謝罪を要求したが、その後の調査で人違いだったことが判明、逆に女性立法委員が件の高官に謝罪した事件。
ML仲間の新聞OBのR氏が来年はどうなるかの問題提起をしてくださった。